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一年目 約9万3千 2009-02-27 10万人 2009-09-17 20万人 2010-04-27 30万人 2010-11-15 40万人 2011-06-22 50万人 2012-02-26 60万人
第54章「駆け引き」
合同検討会といっても、それぞれが自分たちに有利になるように事を進めようと、虚々実々の駆け引きが行われていたのである。
大橋宗雪理事長 「では、現役のプロ棋士ということになるが、年齢や経験、段位などはどうか?」
まずは、大橋理事長が口火を切った。
不利舎耕介副委員長 「それはまだ犯人の動機がわからない以上、絞りきれないでしょう」
即座に反論が出たが、尤もな意見だった。
湯川慶子委員 「私は動機の解明が最優先だと思うわ。それがわかれば犯人に辿りつくはずよね」
その動機が分からないから、苦労しているのだったが、それについては誰も何も言わなかった。 あえて火中の栗を拾うものなどいない。
喝采賢介委員 「賛成です。この事件の骨格を成しているのが動機ですからね」
すかさず喝采委員が賛成した。機を見るのが敏である。この男は生き延びる知恵を知っていた。
温対記者 「僕も湯川さんに賛成します」
もう1人いた。
筒井村重本部長 「では、その動機ですが。考えられることは?」
ここで、丸潮委員が興味深い意見を述べた。
丸潮新次郎委員 「今まで4人のプロ棋士が被害に遭っています。みんな駒の流儀書に違反したという理由で、大切な品物を盗られていますね」
大吉三郎委員長 「はい、それが共通点でした」
丸潮新次郎委員 「ですが、それは隠れ蓑だったのではないかと思うのです」
皆本義経編集長 「ほお。と言うと?」
丸潮新次郎委員 「つまりですね、共通点は<駒の流儀書>ではなく、その4人にあるのでは?」
いかにも映画監督らしい斬新な視点である。
筒井村重本部長 「なるほど。被害者の4人に共通する何かということですね」
関東連合会随一の切れ者の筒井は、丸潮の言いたいことが瞬時に解かった。
丸潮新次郎委員 「そういうことです」
不利舎耕介副委員長 「だが、そうなると流儀は7つあるのだから、これから起こると予想される事件の被害者3名も、含めた7人に共通する何かということになる。そうなると4人の段階では、中途半端になるのではないかな」
ホームズの懸念も理解できた。
湯川慶子委員 「たしかにそうよね。まだ後の3人が誰かわからないわけだし・・」
筒井村重本部長 「だとすると、あと3人が確定するまでは、共通点がわからないということでもありますねえ」
喝采賢介委員 「困りましたなぁ」
大橋宗雪理事長 「うむ。理屈ではそうじゃが。そこまで悠長なことを言ってられぬぞ。今は分かっている4人の共通点を見つけることが先決じゃよ」
大御所の一言は、効き目があった。
大吉三郎委員長 「わかりました。とりあえず、4人の棋士の共通点を探しましょうか」
将棋連盟の理事役員は出席していなかったが、事務局から4名の出席があった。
山城寬斎事務局長 「最初が屋敷9段や。そんで中田8段、山崎7段、村山5段の4人やな」
風小僧職員 「年齢はそれぞれ38歳、45歳、30歳、25歳です」
関西から事務局長と職員の2名が来ていた。
後呂記者 「段位が段々下がってきてますけど」
湯川慶子委員 「関係ないわよ。そんなこと」
後呂の指摘は、一瞬で否定された。
喝采賢介委員 「年齢が20代から40代ですね。年寄りではないけど、共通点とは言いにくいですよね」
大吉三郎委員長 「出身地はどうですか?」
越中褌事務局長 「皆それぞれ違います。北海道、東京、広島ですから。共通しません」
仁歩犯則書記長 「では、師匠が同じとか」
越中褌事務局長 「はい。中田8段と村山5段は、同じ桜井登先生門下ですが、屋敷9段は五十嵐豊和9段、山崎7段は森信夫7段門下です」
喝采賢介委員 「そうか、それも違いますなぁ」
湯川慶子委員 「棋士になった年が同じというのはどうなの?」
山城寬斎事務局長 「4段になった年ちゅうことやね。それも調べたんやけど、みんなバラバラですがな」
今のところ、さっぱり共通点がなかった。
米中会長 「奥さんが美人というのはどうなの?」
会長はジョークのつもりで言ったのだったが、かえって場がしらけてしまった。
書式オプションに関するさらに詳しい情報...
駒の流儀・第10部 第54章
第54章「駆け引き」
合同検討会といっても、それぞれが自分たちに有利になるように事を進めようと、虚々実々の駆け引きが行われていたのである。
大橋宗雪理事長 「では、現役のプロ棋士ということになるが、年齢や経験、段位などはどうか?」
まずは、大橋理事長が口火を切った。
不利舎耕介副委員長 「それはまだ犯人の動機がわからない以上、絞りきれないでしょう」
即座に反論が出たが、尤もな意見だった。
湯川慶子委員 「私は動機の解明が最優先だと思うわ。それがわかれば犯人に辿りつくはずよね」
その動機が分からないから、苦労しているのだったが、それについては誰も何も言わなかった。
あえて火中の栗を拾うものなどいない。
喝采賢介委員 「賛成です。この事件の骨格を成しているのが動機ですからね」
すかさず喝采委員が賛成した。機を見るのが敏である。この男は生き延びる知恵を知っていた。
温対記者 「僕も湯川さんに賛成します」
もう1人いた。
筒井村重本部長 「では、その動機ですが。考えられることは?」
ここで、丸潮委員が興味深い意見を述べた。
丸潮新次郎委員 「今まで4人のプロ棋士が被害に遭っています。みんな駒の流儀書に違反したという理由で、大切な品物を盗られていますね」
大吉三郎委員長 「はい、それが共通点でした」
丸潮新次郎委員 「ですが、それは隠れ蓑だったのではないかと思うのです」
皆本義経編集長 「ほお。と言うと?」
丸潮新次郎委員 「つまりですね、共通点は<駒の流儀書>ではなく、その4人にあるのでは?」
いかにも映画監督らしい斬新な視点である。
筒井村重本部長 「なるほど。被害者の4人に共通する何かということですね」
関東連合会随一の切れ者の筒井は、丸潮の言いたいことが瞬時に解かった。
丸潮新次郎委員 「そういうことです」
不利舎耕介副委員長 「だが、そうなると流儀は7つあるのだから、これから起こると予想される事件の被害者3名も、含めた7人に共通する何かということになる。そうなると4人の段階では、中途半端になるのではないかな」
ホームズの懸念も理解できた。
湯川慶子委員 「たしかにそうよね。まだ後の3人が誰かわからないわけだし・・」
筒井村重本部長 「だとすると、あと3人が確定するまでは、共通点がわからないということでもありますねえ」
喝采賢介委員 「困りましたなぁ」
大橋宗雪理事長 「うむ。理屈ではそうじゃが。そこまで悠長なことを言ってられぬぞ。今は分かっている4人の共通点を見つけることが先決じゃよ」
大御所の一言は、効き目があった。
大吉三郎委員長 「わかりました。とりあえず、4人の棋士の共通点を探しましょうか」
将棋連盟の理事役員は出席していなかったが、事務局から4名の出席があった。
山城寬斎事務局長 「最初が屋敷9段や。そんで中田8段、山崎7段、村山5段の4人やな」
風小僧職員 「年齢はそれぞれ38歳、45歳、30歳、25歳です」
関西から事務局長と職員の2名が来ていた。
後呂記者 「段位が段々下がってきてますけど」
湯川慶子委員 「関係ないわよ。そんなこと」
後呂の指摘は、一瞬で否定された。
喝采賢介委員 「年齢が20代から40代ですね。年寄りではないけど、共通点とは言いにくいですよね」
大吉三郎委員長 「出身地はどうですか?」
越中褌事務局長 「皆それぞれ違います。北海道、東京、広島ですから。共通しません」
仁歩犯則書記長 「では、師匠が同じとか」
越中褌事務局長 「はい。中田8段と村山5段は、同じ桜井登先生門下ですが、屋敷9段は五十嵐豊和9段、山崎7段は森信夫7段門下です」
喝采賢介委員 「そうか、それも違いますなぁ」
湯川慶子委員 「棋士になった年が同じというのはどうなの?」
山城寬斎事務局長 「4段になった年ちゅうことやね。それも調べたんやけど、みんなバラバラですがな」
今のところ、さっぱり共通点がなかった。
米中会長 「奥さんが美人というのはどうなの?」
会長はジョークのつもりで言ったのだったが、かえって場がしらけてしまった。