WEB駒音
盤側の談話室
将棋漬け
名人戦棋譜速報
王将戦
麻雀の雀龍.com
将棋掲示板
一年目 約9万3千 2009-02-27 10万人 2009-09-17 20万人 2010-04-27 30万人 2010-11-15 40万人 2011-06-22 50万人 2012-02-26 60万人
第22章「仮説」
暇名小五郎 「そうです。現在までに知りえた情報を整理して、仮説を立ててみるのです」
コーヒー党の暇名探偵は、自分でいれたコーヒーを上手そうに口に運んだ。
温対記者 「そうか。それが予測ですね」
温対のほうは、藤田舞子が出してくれたお茶を飲んだ。
暇名小五郎 「はい。まず1点目。私のところへ怪人60面相からの予告状が届いた後、将棋関係の品物が盗まれています」
細波雷蔵刑事 「そうです」
暇名小五郎 「2点目。盗まれた人は、プロ棋士です」
細波刑事も温対記者も、きちんとメモをとっている。
暇名小五郎 「3点目。犯人は品物を盗んだ後で、将棋連盟の米中会長に宛てて、犯行声明文を送っている」
暇名探偵は、みんなに分かるように、一語ずつゆっくり区切りながら説明していく。
暇名小五郎 「さらに4点目は、その中で犯行理由を掲げている」
皆、黙って名探偵の説明を聞いていた。
暇名小五郎 「そして5点目。流儀書に記されている<心得>が、盗まれる品物と関係があるということ」
渡り鳥旭警部 「うむ。そのとおりだ」
暇名小五郎 「そこで問題になるのは、最初の盗難のパターンが、二回目の盗難にも当てはまるかどうかということです」
温対記者 「僕は同じ展開になるような気がします」
暇名小五郎 「はい。流石は温対さんですね。私もそう思います。わざわざ予告状を出す以上、そうならなければ不自然です」
藤田舞子は、温対記者の隣りで神妙な顔で聞いている。
渡り鳥旭警部 「つまり、こういうことだな。近いうちに、プロ棋士が所有している大事な品物が盗難に遭うが、その品物は流儀書に記載されている<心得>に関係があると」
暇名小五郎 「はい、そうです。そこで<直>という心得から、どんな物が思い浮かびますか?」
左手の親指と人差し指で、顎をなでる得意のポーズで、暇名探偵は全員の顔を見回した。
温対記者 「うーん。道路とか、定規、宿直、直線・・・」
さっそく、温対が答えた。
藤田舞子 「ちょっと温対さん、品物よ。道路盗む人なんかいないでしょう。それに、将棋に関係する物って言ったでしょう」
温対は、やり込められてしまったが、当然悪い気持ちはしなかった。
暇名小五郎 「警部はどうですか?」
渡り鳥旭警部 「いやいや、俺は駄目だ。まず、将棋がまったくわからんからなあ」
細波雷蔵刑事 「私も駒を動かす程度ですから・・」
警視庁は、全く自信がなさそうだった。
暇名小五郎 「ではその心得ですが、<真っ直ぐの道を歩け、奇策はいけない>とあります」
渡り鳥旭警部 「うむ」
暇名小五郎 「そのことから連想すると、将棋は<定跡>の通りにやりなさいということでは?」
渡り鳥旭警部 「というと?」
暇名小五郎 「私の推理が正しければ、狙われる品物は<定跡書>です」
渡り鳥旭警部 「なるほど。将棋の解説書か」
暇名小五郎 「はい。将棋の定跡を紹介したり、解説をしたりしている本です」
暇名が断言する時は、自信のある証拠だ。
細波雷蔵刑事 「しかし、本ならそれ程大切な物とは言えないのではありませんか?」
暇名小五郎 「それは分かりません。その人にとってだけ、大事だというものもありますから」
細波雷蔵刑事 「それはそうですね」
若い刑事は、あっさり引き下がった。
暇名小五郎 「分からないのは、盗まれる本人が書いた本なのか、別の棋士が書いた本なのかということです」
書式オプションに関するさらに詳しい情報...
駒の流儀・第4部 第22章
第22章「仮説」
暇名小五郎 「そうです。現在までに知りえた情報を整理して、仮説を立ててみるのです」
コーヒー党の暇名探偵は、自分でいれたコーヒーを上手そうに口に運んだ。
温対記者 「そうか。それが予測ですね」
温対のほうは、藤田舞子が出してくれたお茶を飲んだ。
暇名小五郎 「はい。まず1点目。私のところへ怪人60面相からの予告状が届いた後、将棋関係の品物が盗まれています」
細波雷蔵刑事 「そうです」
暇名小五郎 「2点目。盗まれた人は、プロ棋士です」
細波刑事も温対記者も、きちんとメモをとっている。
暇名小五郎 「3点目。犯人は品物を盗んだ後で、将棋連盟の米中会長に宛てて、犯行声明文を送っている」
暇名探偵は、みんなに分かるように、一語ずつゆっくり区切りながら説明していく。
暇名小五郎 「さらに4点目は、その中で犯行理由を掲げている」
皆、黙って名探偵の説明を聞いていた。
暇名小五郎 「そして5点目。流儀書に記されている<心得>が、盗まれる品物と関係があるということ」
渡り鳥旭警部 「うむ。そのとおりだ」
暇名小五郎 「そこで問題になるのは、最初の盗難のパターンが、二回目の盗難にも当てはまるかどうかということです」
温対記者 「僕は同じ展開になるような気がします」
暇名小五郎 「はい。流石は温対さんですね。私もそう思います。わざわざ予告状を出す以上、そうならなければ不自然です」
藤田舞子は、温対記者の隣りで神妙な顔で聞いている。
渡り鳥旭警部 「つまり、こういうことだな。近いうちに、プロ棋士が所有している大事な品物が盗難に遭うが、その品物は流儀書に記載されている<心得>に関係があると」
暇名小五郎 「はい、そうです。そこで<直>という心得から、どんな物が思い浮かびますか?」
左手の親指と人差し指で、顎をなでる得意のポーズで、暇名探偵は全員の顔を見回した。
温対記者 「うーん。道路とか、定規、宿直、直線・・・」
さっそく、温対が答えた。
藤田舞子 「ちょっと温対さん、品物よ。道路盗む人なんかいないでしょう。それに、将棋に関係する物って言ったでしょう」
温対は、やり込められてしまったが、当然悪い気持ちはしなかった。
暇名小五郎 「警部はどうですか?」
渡り鳥旭警部 「いやいや、俺は駄目だ。まず、将棋がまったくわからんからなあ」
細波雷蔵刑事 「私も駒を動かす程度ですから・・」
警視庁は、全く自信がなさそうだった。
暇名小五郎 「ではその心得ですが、<真っ直ぐの道を歩け、奇策はいけない>とあります」
渡り鳥旭警部 「うむ」
暇名小五郎 「そのことから連想すると、将棋は<定跡>の通りにやりなさいということでは?」
渡り鳥旭警部 「というと?」
暇名小五郎 「私の推理が正しければ、狙われる品物は<定跡書>です」
渡り鳥旭警部 「なるほど。将棋の解説書か」
暇名小五郎 「はい。将棋の定跡を紹介したり、解説をしたりしている本です」
暇名が断言する時は、自信のある証拠だ。
細波雷蔵刑事 「しかし、本ならそれ程大切な物とは言えないのではありませんか?」
暇名小五郎 「それは分かりません。その人にとってだけ、大事だというものもありますから」
細波雷蔵刑事 「それはそうですね」
若い刑事は、あっさり引き下がった。
暇名小五郎 「分からないのは、盗まれる本人が書いた本なのか、別の棋士が書いた本なのかということです」