その他

World Blitz Championship 2008

Magic on Chessboards - 火, 11/11/2008 - 02:11
~   World Blitz Championship 2008 ~   ブリッツの世界選手権がカザフスタンのアルマトイで開催されました。 参加者は A・モロゼビッチ や V・イヴァンチュク、スビドラー、ラジャボフ、グリシュクら豪華な面々で計16人。 アナンド、クラムニクは世界チャンピオン戦直後ということで不参加。 トップ棋士だと、カールセン、トパロフ、アロニアン、レコ、ヤコベンコ等もいなかったが、私に不満はない。   優勝したのは、L・ドミングス。 半点差で イヴァンチュク が準優勝。 モロゼビッチはイーブンスコアだった。   いくらブリッツだからって1日に15Rは凄まじい。 棋譜にもポカや時間切れで終わった凡譜がある。 とはいえルールの中での優勝にケチをつけるのは間違っている。 ドミングスの優勝は意外ではあるものの、讃えるべきだ。 おめでとうございます。   紹介したいのは、彼の第6R、vs モロゼビッチ にしようと思う。     L・ドミングス vs A・モロゼビッチ (1‐0) ルイロペス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1513457   モロゼビッチの採用した 8・・・・Ne7 が新手だが失敗している。 本局では黒の暗色Bの展開が致命的に遅れ、キャスリングができぬままに白に中央突破された。   ( 16・・・・Nd4 )  17・Rxd4   17・・・・cxd4  黒Kがまだ中央にいるうちに、風穴を開けるエクスチェンジサクリファイス。   18・e5 Rc8 19・Re1 dxe5 20・Bxe5 Be7 21・Bxg7 Rg8 ここは 18・・・・dxe5 でも   19・Be7 が指せないため、結局手順違いで20手目の局面を迎える。 つまり、18・・・・dxe5 19・Re1 Be7?? 20・Bxg7 Rg8 21・Qc6+ Qd7 22・Qxa8+ 白勝ち。   22・Bf6 Rc8 23・Ng3 Rc7 24・Be5 Rd7 例えば 24・・・・Bd6 では、25・Bxd6+ Qxd6 26・Qa8+ Kg7 27・Nf5+ Kf6  28・Qxg8 Kxf5 29・Qxh7+ で主導権は白にある。   25・Qh5 d3 黒は使いかっての悪い暗色Bが交換できないのが厄介。 25・・・・Bf6? 26・Qh6+ Bg7 27・Bxg7+ Rxg7 28・Nf5 f6 29・Nxg7 Rxg7  30・Re6 Kf7 31・Rxa6 で白勝勢。   26・Qh6+ Ke8 27・Qxh7 Rf8 Rを見捨てる 27・・・・d2 が正解で、28・Q xg8+ Bf8 で黒は逃げ切れる(と私は判断した)。   28・Nh5  狙いは 29・Ng7#。  28・・・・Qa5 29・Nf6+ Ke8  無論 29・・・・Bxf6 はできない。 30・Nxd7 Kxd7 31・Qxd3+  この黒ポーンが落ちたら白安泰。 直後に黒投了。
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Cap d'Agde 2008 決勝トーナメント & FIDEレーティング 2008年10月

Magic on Chessboards - 火, 11/04/2008 - 03:38
~   Cap d'Agde 2008 ~   決勝トーナメント 準々決勝 V・イヴァンチュク vs T・ラジャボフ (3.0‐1.0)   M・カールセン vs Bu‐Xiangzhi (1.5‐0.5) A・カルポフ vs F・クルアナ (3.5‐2.5)   H・ナカムラ vs M・V・Lagrave (3.0‐1.0)   決勝トーナメント 準決勝 V・イヴァンチュク vs M・カールセン (2.5‐1.5)   H・ナカムラ vs A・カルポフ (3.0‐1.0)   決勝トーナメント 決勝戦 H・ナカムラ vs V・イヴァンチュク (1.5‐0.5)   優勝 H・ナカムラ   フランストップ棋士のLagrave、元世界王者カルポフ、今年好調のイヴァンチュクを破っての優勝でした。 おめでとうございます。 老若男女入り乱れての大会での価値ある優勝だと思います。     その優勝者の H・ナカムラ の準決勝の棋譜を紹介しよう。 サクリファイスから主導権を追求する彼らしいチェスだった。     H・ナカムラ vs M・V・Lagrave (1‐0) ベンコーギャンビット http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1513053   12・Nfxd5   駒損になるけど突っ込むのです。黒の駒が最下段にあるうちに全ての駒を展開してしまう。 12・・・・Bxd5 13・Be3  d5のポーンを取り払ったのは、黒 d4 のカウンターフォークを失くすため。   13・・・・Qb4 14・a3 Qa5 15・Be2 Be6  展開で後れをとる黒はせめて駒得は維持しようと躍起。   16・Nd5 Qd8  16手目にしてまだB1枚しか戦前に出していない黒。さすがにN得だけじゃ辛い形。   17・Qxc4  これで白のかなり優勢。狙いは Nc7+ 。 17・Nc7+ Ke7 18・Qh4+ f6 19・Nxa8 で白エクスチェンジの駒得になる。   17・・・・Ra7  だからそれを防いだ手。 17・・・・Bxd5?   は 18・Qxd5 Ra7 19・Bc4 で白勝勢。   18・Rc1  力をため込む1手。これで Nc7+ が出来る。 19・Nc7+ Rxc7 20・Qxc7  19・・・・Ke7 は無謀。20・Bb4+ d6 からボコボコになる。   22・・・・Nxe5?  おそらく敗着手。小骨の白ポーンを取り去りたい気持ちは解るが、 23・Ba5+  Ke7 24・Rc8  BチェックからバックラインへのRの侵入を許したのは拙かった。   ナカムラのコンビネーションが綺麗に決まる。 25・Bb4+ d6 26・Rxf8 Kxf8 27・Bxd6+ Kf7 28・Bxe5  かくして白がクイーンサイドでの大きな2ポーン得のパスポーンと、ダブルBを持つことに。   この駒割はもう実質的には勝負は決している。 残りは流して構わないだろう。 白41手で勝ち。     ~   FIDEレーティング 2008年10月 ~   1位 V・トパロフ  2791 2位 A・モロゼビッチ  2787 3位 V・イヴァンチュク  2786 4位 M・カールセン  2786 5位 V・アナンド  2783 6位 V・クラムニク 2772 7位 L・アロニアン  2757 8位 T・ラジャボフ  2751 9位 P・レコ  2747 10位 D・ヤコベンコ  2737   トパロフは Bilbao Grand Slam Chess Final での優勝が査定でかなり大きく響いてレートトップに。 アロニアンは再び十傑入りを果たした。 タイトル防衛でアナンドは次回上がるだろう。 最近の十傑常連だとマメデャロフが14位まで順位を落としている。   気になるのが13位のS・モブセシアンで、最近ランクを上げてきている。 現在30歳。 かつて G・カスパロフ に観光客呼ばわりされたうえ、カスパロフの同時対局で辛酸を舐めさせられた彼だが。 いつキャリアのピークが訪れるのかなんて分からないモノだ。 伸びる人は歳を重ねても伸びる。
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Cap d'Agde 2008 予選

Magic on Chessboards - 火, 11/04/2008 - 01:52
~   Cap d'Agde 2008 ~   開催地はフランスのリゾート地、キャプ・ダグド。 この地方は有名なヌーディストビーチがあるそうで、その点について触れておくのは私の哀しい性である。 参加者は16名で、各8人ずつの2組のうち、上位4名が決勝トーナメント進出となる。 両グループとも予選の成績順に書いておく。   グループA 決勝トーナメント進出 F・カルアナ V・イヴァンチュク M・V・Lagrave Bu‐Xiangzhi 予選落ち I・チェパリノフ A・コステニク K・ラーノ M・Sebag   グループB 決勝トーナメント進出 M・カールセン H・ナカムラ T・ラジャボフ A・カルポフ 予選落ち Hou‐Yifan H・コネル S・Feller  A・Skripchenko   コステニク、Hou‐Yifan の女子世界チャンピオン戦の決勝で争った2人が予選敗退となる波乱。 B組のカールセンは予想通り予選首位通過だか、A組ではイヴァンチュクを抑えてクルアナが首位。   紹介したいのは、B組の Hou‐Yifan vs A・カルポフ のタイプレーク。 実は2人の予選のスコアは同点であり、 タイブレークを   (3.0‐1.0) で制したカルポフが決勝トーナメントへと進出となった。 14歳の Hou‐Yifan と還暦間近のカルポフ(57歳)の対局はさながら老人と孫のようだが、盤上はシビアだ。   Hou‐Yifan vs A・カルポフ (0‐1) イタリア布局 http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1511925   カルポフの 17・・・・g6 が意味深。 普通はキングの前の形が乱れるので指しにくい。 案の定 20・Bxh6 が飛んできた。 しかし、大ベテランのカルポフはそれすら計算のうちだったろう。 白投了までの残り18手はカルポフ勝勢の一直線に進んでいく。   20・・・・Qh4   まずはB・N両取りの脅しをかける。  21・Be3 これは絶対手。 21・・・・Bc4  h4のQのおかげでこの手が指せるのが大きい。 22・Bd3 Bxd3 23・Qxd3 Rad8  aファイルのRの展開が白より早くできる。 24・Qe2 Bxe3 25・Qxe3  白はBの回収にQばかり動かしてRが展開できていない。   25・・・・Qf4!  ここで 17・・・・g6   が活きてくる。 クイーン交換なら 27・Nh1 と退かせて窓際族へと戦力外通告が出せる。 加えて中央を支配している黒が優勢となってくる。 それはカルポフお得意の展開でもある。   26・Qc5  だから交換拒否。若き Hou‐Yifan にとってカルポフ相手のエンドゲームは避けかったのだろう。 26・・・・Rd2 27・Rab1? e4  ここはもう駒損は諦めて中央を取り返すべきだった。 28・Rfe8  ようやくRを活用してみたが・・・。  28・・・・e3!  この突きが重たい。 29・Nh1  無論、29・fxe3? や   29・Rxe3? は29・・・・Qf2+ からチェックメイトされる。   29・・・・b6  トドめ。 30・Qxc6? f2からQの守りが外れれば白陣は保たない。 30・exf3 Rxg2+ 31・Kxg2 Qe4+ 32・Kh2 bxc5  かくしてQとRの交換で大差に。   後数手粘るもそれは蛇足に過ぎず、カルポフはあっという間に追い詰めた。     カルポフは黒番で 1・e4 e5 を選択して、Hou‐Yifan   (14歳)   と F・カルアナ (16歳)   から白星を得ている。 若き挑戦者たちはカルポフの保守的な駒の組み合いに付いていけなかったようで、 駒が交換されるたびにカルポフがじわじわとポジションの利を重ねていった。
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European Club Cup 2008 ③

Magic on Chessboards - 日, 11/02/2008 - 03:12
~   European Club Cup 2008 ~   膨大な棋譜のごく一部しか紹介できずに申し訳ないが、 今回でヨーロッパクラブ選手権についてはひとまず終了としよう。   2人のベテラン同士の対決は、前回紹介のカムスキーのゲームのようにQ捨てがカギであった。   M・クラセンコフ vs A・ベリヤフスキー (0‐1) クインズインディアンディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1511420   17・・・・dxc4 で白は中央、黒はクイーンサイドでのポーンの優位性を主張し合うことになる。 20・e5 の失着に対して 20・・・・Bxf3 21・Bxf3 Qxd4 と進み黒1ポーン得になった。 それではだけでは凡局でしかなかったのだが、次が凄かった。   (   22・Rad1 )  22・・・・Nxe5?!   22・・・・Qa7 と退くことが悪いとは思わないが、白に Rfe1 Bd5 e6! の手順を許すことになる。 以下、 23・Rxd4 Nxf3+ 24・Kg2 Nxd4  で B+R+2P と Q の交換。   白のクラセンコフは、 25・Qe4 26・Qc6 27・Qxa6 とaファイルのポーンを交換したが、それが良くない。   29・・・・Ra8 30・Qxc4 Rxc4 31・Nxc4  かくして黒1ポーン得してエンドゲームへ。ここまでが壮大。   後はパスポーンをb2まで進めたベリヤフスキーが勝ちきった。     ベテランの次は若手に目をあてよう。 最近音沙汰がなかったが、今大会のナイディッシュは持ち前の攻撃力を存分に発揮した。   E・Najer vs A・ナイディッシュ (0‐1) スコッチオープニング http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1510975   あまり前例のない局面で、ナイディッシュが新手から快勝してみせた。 前例である S・モブセシアン vs Z・Hracek (1/2‐1/2) 2001年 では、 12・f4 で脅された黒Nが 13・・・・Nc4 と退いたが、ナイディッシュは違った。 チェックメイトの狙いを孕む 14・・・・Bh3 である。 黒Nが e5 に留まっている効果で、白は Bf3 ができなくなっている。 で、白が選んだのは 15・Rf2 なのだが、15・Nf3 ではダメなのだろうか?   白が最善で守ったら、とか野暮なツッコミはしないでおこう。   17・・・・Bxg2+   ここからナイディッシュのショータイム。 18・・・・Nf5  狙いは Ne3+ によるK・Q両取り。 19・Qd2 Nh4+ 20・Kg3  ここで安易に 20・・・・Nxf3 としなかったのが良い。 20・・・・Qg6  ディスカバリーチェックを仕掛けにいく。  21・Kxh4 21・・・・Nf6  狙いは 22・・・・Qg4#  22・・・・Re3 Qxg1  Kをhファイルにカットしたので・・・、 投了局面から、黒の Re6 →   Rh6+ が致命傷になります。   そういえば、今年のナイディッシュはクラムニクのペトロフディフェンスを新手で倒したりもしていた。 そろそろトップレベルに頭角を現してくるのではないかと期待している。
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European Club Cup 2008 ②

Magic on Chessboards - 金, 10/31/2008 - 04:25
~   European Club Cup 2008 ~   今回は優勝チームの棋譜を観てみようと思います。 優勝はロシアの名門クラブ“URAL”でメンバーは、 T・ラジャボフ G・カムスキー A・シロフ A・グリシューク A・ドレーエフ V・マラコフ V・ Motylev 。     まずはドレーエフの詰め筋を。 私はプロプラムを解くよりは実戦譜の詰めを読む方が棋力に繋がると考えている。   K・Petzold vs A・ドレーエフ (0‐1) 英国布局 http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1510285   24・Qc1   クイーンサイドの白ポーンの群れが脅威になる前に勝負を決してしまいます。   24・・・・Nf3+! 25・exf3  (25・Kh1? Nxf2#)  25・・・・exf3  eファイルを開けるサクリファイス。 26・Bh3  さらにもう一発ナイトをたたき込みます。 26・・・・Nxf2! 27・Bf5  放置すれば、27・・・・Nxh3+ 28・Kh1 f2# 取ると、27・Kxf2 Qe2+ 28・Kg1 f2# 27・・・・Nd1  (0‐1) 28・h4 に対して 28・・・・Qe2 で黒のチェックメイト勝ちになります。     お次は G・カムスキー のゲームを。 今大会のカムスキーは不調で、L・アロニアン や P・イリジャノフ に敗けている。 ただ、唯一の白星がなかなかに印象的なのです。   G・カムスキー vs M・Feygin (1‐0) グリュンフェルドディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1510280   まず仕掛けたのは黒のFeygin。 下記のルークサクリファイスである。   16・・・・Rxb2   17・・・・Qxb2 Nxe2+ QとNの位置関係 が不吉であり、f1のRが動けないのも厳しい。 18・Kh1? では交換が進み中央の黒ポーンの抑え込みが厄介になってくる。   カムスキーは 18・Qxe2 でクイーンを手放して乗り切ることを選択。 駒数では優位に立つも、白の陣営は低く、また黒のセンターのポーンは強力であるが・・・。 そこはテクニシャンのカムスキーである。   まずは 21・f4 で黒eポーンを牽制しつつ、自軍の活用範囲を広げる。 開いたf3を経由して2Nを連結させる  27・Nfd4 。   R+B+N vs Q+中央の2P の終盤になると、巧くピースで黒ポーンを遮ると、これを直接Kで狩りに出た。 h1 から出発した白Kは b2 まで出張した後、f3 まで戻ってくる大遠征を果たした。   ポーンの脅威がなくなれば、駒得しているカムスキーが勝ったのは言うまでもない。
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Anand-Kramnik World Championship Match 第7・8・9・10・11R

Magic on Chessboards - 水, 10/29/2008 - 03:51
~   Anand-Kramnik World Championship Matc h ~   第7・8・9Rと連続して Draw 。 アナンドが王座防衛まで王手をかけた。 ただ、第9Rで少しだけ風向きが変わった。 結果はDrawながらこのマッチで初めてクラムニクが主導権を握って戦ったのである。   第9局目 V・アナンド vs V・クラムニク (1/2‐1/2) セミスラブディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1511867   17・e5  Nc3 → Ne4 の跳ねを狙う。 17・・・・c5!  ならばBb7の効きを通す。17・・・・Bxc3 18・bxc3 は白の中央を支配が固くなりよくない。   18・Nxb5 cxd4 19・Qxc4  ここでクラムニクがなにげないが好手で主導権を握る。   19・・・・a5!   このBは退かない。これに対して白は 20・a3 とは追えないのである。 つまり、 20・a3 Rac8 21・Qxd4 で 21・・・・Bc5 がQ取りになるからだ。 黒の手だけ書くが、20・・・・Rac8 21・・・・Bc5 22・d3+ の狙いが強力で、 アナンドはこれを予め避ける 20・Kh1 であった。   20・・・・Rac8 でcファイルをとり、 21・・・・gxf4 でメイト狙いと、クラムニクの攻めが続く。     29・・・・Bb8   黒のクラムニクが1ポーンの駒得を維持、またBの位置が黒の方がいい。 アナンドは b3   を護りつつ B との位置関係を b4 Bc4 の形に訂正しようとした。   30・Qf3 Rc5 31・Bd3 Rc3 32・g5  黒の黒マスBの効きを塞ぐ。白マスは白が強いので開けてもいい。   32・・・・Kh8  32・・・・Rxb3?   では 33・Bh7+ でエクスチェンジダウンであるからして取れない。   33・Qb7  Qをセブンスランクに入れて盛り返す。   中盤から守勢だったアナンドだが、勝つチャンスが無かったわけでもない。 chess base NEWS 曰く、35・Bxf5! があるそうだ。   研究手順 35・Bxf5!   35・・・・Rxf5   なら 36・Rxf5 exf5 37・Qxh6+ Kg8 38・Qg5+ Qg7 39・Rd8+ で白勝ち。 35・・・・exf5 なら 36・Rfe1 Qg7 37・Re6 Bc7 38・Rxh6+ Kg8 39・Qe6+ Qf7 40・Rg6+ Kh8 41・Rh6+ で パーペチュアルチェックというスマートな Draw に持ち込めた。     さて、本来の棋譜へと戻ろう。 この後、クイーン交換(クラムニク曰くDrawの原因)をして、黒はBを捨ててまで、aファイルのポーンを進めた。 しかし、これでは勝てない。 たとえば 41・・・・Rc1+ の変化を書くと、 41・・・・Rc1+ 42・Kg2 Rc2+ 43・Rxc2 bxc2 44・Bxe6 で白はポーンを止められる。   結局、白もB得を返して、黒ポーンを狩ることになり、それはDrawでしかなかった。     クラムニクにとっては勝てそうで勝ちきれなかったゲームで、とても惜しい。 アナンドは残り3局で0.5ポイントで王座防衛である。 が、第10局目、白番のクラムニクは勝った。本当に土壇場の土壇場で勝った。 未だにアナンドが俄然有利ではある。 クラムニクには第11・12局目も勝ってタイブレークに持ちこむしか道はない。 それでも私はまだどこかクラムニクに期待してしまう。 局後のコメントでもまだ諦めていないそうで。 第11局目、アナンドが白番、クラムニクは黒番で勝ちにいかなくてはならない。 私はもしアナンドが初手d4ならクラムニクにはキングスインディアンをして欲しいと思っている。   追記 と、思ったら、第11局目、アナンドは初手e4をこのマッチで初めて使用した。 対するクラムニクはシシリアンディフェンスのナイドルフで対応。 もしマッチをリードしていたならばクラムニクには鉄壁のペトロフディフェンスがあるが、 必勝の場面なのでシシリアンを使用したと思われる。 しかし、アナンドの序盤研究の成果か、クラムニクは攻めきれず24手でDrawの合意がなされた。 この瞬間、アナンドのタイトル防衛が達成された。 おめでとうございます。
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European Club Cup 2008 ①

Magic on Chessboards - 日, 10/26/2008 - 03:48
~   European Club Cup 2008 ~   知っている名前をざっと羅列しただけでもこれぐらいいる。   V・イヴァンチュク M・カールセン P・スビドラー L・アロニアン S・マメデャロフ M・アダムズ T・ラジャボフ A・シロフ G・カムスキー R・ポノマリョフ D・ヤコベンコ B・ゲルファンド A・グリシューク S・カリャーキン S・モブセシアン E・バクロ P・イリジャノフ V・ガシモフ E・アレクセーエフ L・V・ベリー I・チェパリノフ V・アコピアン A・ベリヤフスキー A・ドレーエフ V・ミロフ I・スミリン V・マラコフ V・ボロガン E・サトフスキー A・ボロチキン E・イナリキエフ A・ナイディッシュ M・クラセンコフ A・オニシュク K・サカエフ A・ティモフェーエフ B・ジョバハ R・バガンヤン E・トマシェフスキー A・アナスターシャ V・ポポフ etc.   いくらなんでも全部チェックするのは物理的に不可能だろう。 それでも3回ぐらいに分けてヨーロッパクラブ選手権を振りかえりたい。     この大会で絶対に紹介すべきなのはアロニアンのサクリファイスゲームの名局だ。 私が彼のファンであることを抜きにしてもこれは惚れる。 ナイト、ポーン、ビショップ、ルークとほぼ全ての駒を捨てていく大立ち回り。   L・アロニアン vs A・ボロキチン (1‐0) スラブディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1511434   6・・・・Be6 に対する 7・Ng5 が新手にして好手であった。   20・Ng5   まずはNサクリファイス。 狙いは21・Qh7#。 よって黒は 20・・・・hxg5 とるしかない。   21・Qh7+ Kf8 22・Ne4  e3のBは放置していいんです。 それより攻め込むこと優先でいいんです。 黒も 22・・・・fxe3 なんて指す余裕はないのだ。23・Nxg5+ Ke8 24・Qxg7 でまだまだ白が楽しい。   22・・・・exd5  この局面から中央をオープンにしていくのです。 次が好手。 初見で観たときに M・チゴリン vs W・シュタイニッツ (1‐0) のこのゲームが浮かんだ。 http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1264014   23・e6+!   23・・・・Kxe6  もろちん、23・・・・Qxe6?? では 24・Nxg5+ が王手飛車取り。 Kがe列にきたのでここを開ける。 Nxg5+ とかにわき目も振らずにただ黒Kを殺しに行く。 そのためにはピースの損など気にしない。   25・Bxc5 Nxc5 26・Nxc5+ Qxc5  さらに中央の2ピースまで手放す。でもこれで前述のe列は開いた。 だから、 27・Rde1+ で攻めが続く。    27・・・・Kf5 27・・・・Kd6   では 28・Qe7+ Kc6 29・Re6+ Kb5 30・Qxb5+ Qb6 31・a4+ で白勝ち。     だが、このサクリファイスゲームの締めくくりとなる最後の捨て駒が華麗なる収束へと誘う。   28・Rh5!   狙いは 29・Rxg5# 。  28・・・・Nxh5 斬るしかない。   後は手順のみでいいだろう。 すでに詰み路に入っている。 29・Re5+ Kg4 30・Qxg5+ Kf3 31・Qxh5+ Kxf2 32・Qe2+  (1‐0) 以下、33・Qg4+ 34・Rh5# である。   チームの一番卓は カールセン に譲ってはいるものの、他に カムスキー も倒している。アロニアン強しです。 ※実はアロニアンはアナンドに5勝4敗と勝ち越していたりする。ただしクラムニク相手には勝てない。
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