その他

11th European Individual Championship 2010

Magic on Chessboards - 金, 03/12/2010 - 04:43
~   11th European Individual Championship 2010 ~   開催地はクロアチアのリエカ。 参加者の羅列は人数が多すぎて気が進まないが、とりあえずトップ15人だけ。 Z・アルマーシ E・バクロ S・モブセシアン D・ナヴァラ F・ヴァリャーホ-ポンス A・モティレフ M・アダムズ E・トマシェフスキー E・アレクセーエフ B・ジョバハ A・ナイディッシュ V・アコピアン A・ボロキチン V・ボロガン F・カルアナ  他にも有名なGMが多数いるのだが以下略。   第5Rまで進み、Z・エフィメンコ L・D・ニシピアヌ A・ティモフェーエフ B・ジョバハの4人が同点首位。     Qレスのポジションながら巧みに相手のKを拘束していったナイディッシュのゲームを紹介する。   第5R M・ロドシュタイン vs A・ナイディッシュ (0-1) カタランオープニング http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1576291   29…Nd6   f5にいたNがd6に退却。fファイルを開けてRの効きを通した。 相手のNが2つも効いているマスに退くの中々勇気がいるが、f2を支えるために白はこのNを捌けない。 30・Nxd6?? Rxf2+ 31・Kd3 Rxd6+ 以下白は崩壊していく。   30・axb5 Nxe4 31・f4 31・Bxe4 Rxf2+ 32・Ke1 axb5 33・Nxb6 Rf4+ 34・Ke2 Rxe4 はダブルポーンだが1ポーンアップする黒が若干優勢。 ロドシュタインはf2の弱点を消しておくことにした。   31…Ng3+ 32・Kf3 axb5 33・Ne5 Rd5! 34・Ng4 Rd2 さり気ないが、Nを追いやり白Kの逃げ道を減らしておく 33・Rd5 は好手。 そうしておいてからセブンスランクに侵入しておく。   35・Rc7 Rxb2 35・Rd1 だろうが黒は交換に応じずセブンスランク支配を続ける Rxb2 と指すだろうから、白もセブンスランクに侵入していったが、この局面でどちらのRがより脅威かは明白だ。   36・Rg1 h5  白はRでN・Bとの2枚変え狙い。 h5はNを退かすだけでなくg4の逃げ道を潰している。   37・Ne5 Nf5 38・Ke4 Rd2 Kの先逃げだが、dファイルを支配して先回り。   39・Rd7? Nd6+  (0-1) 40・Kf3 Rf2# を回避するために白はエクスチェンジダウンを避けられない。
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Linares 2010

Magic on Chessboards - 土, 02/27/2010 - 04:06
~   Linares ~   Corusに続くスーパートーナメントが今年もまたスペインのリナレスで開催される。 参加者はCorusとはがらりと変わって、そちらに不参加だった面子が集まった。 V・トパロフ L・アロニアン B・ゲルファンド V・ガシモフ A・グリシュク F・ヴァリャーホ-ポンス   第2R A・グリシュク vs B・ゲルファンド (1-0) ニムツォインディアンディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1573209   14…g6   まず 14…Nf6 との比較だが、この場合は 15・Qh4 で、白はダブルBが黒Kをよく睨んでいるのに加えて、Nをe5にg5移動して圧力をかけられるのに対して、黒は未だQサイドの駒が捌けず展開に差がでる。 また序盤に同じ駒を何度も動かすのは抵抗がある。 具体的な手順では、14…Nf6 15・Qh4 (△16・Bg5) 15…h6 16・Bxh6 Qxh6 となって、 白には、17・Ng5 ~ 18・Bh7+ という狙いが残るたるため、これを避けたというわけだ。   本譜だが、 14…g6 によって黒のK周りの黒マスが弱くなったので、それを咎める 15・Bh6 と続いた。   15…Re8 16・Ne5 Bd7 17・Qf3 白はd5の黒Nを消しにいく。17・Qf3 でf7にスレットをかけることで黒の手をその防御に限定しておく。   17…Qe7 18・Be4 Bc6 19・Bxd5 Bxd5 20・Qf3 白マスのBは相手のキングサイドポーンと同色で使いにくいので、ポストのNと交換してしまう。   20…f5 Fritzが示した次善の変化に 20…Bd6 21・Bg5 Qc7 22・Rac1 Bc6 があったが、 これは白がスペースアドバンテージと流動性を得ていて、白の優勢である。 本譜の 20…f5 は白のNg4→Nf6+を予め消しておく予防策。   21・h4  タイミングをみてh5をしかけて黒Kの頭上を割るつもり。   21…Rac8 22・Rac1 Bd6 23・Rfe1 Qf6 ChessBase NEWS   のA・ギリの解説は、このポジションは黒にとって悪くないが、手を見つけるのが難しい状態と評した。 ちなみにギリは b5 を突くことを提案している。   24・Rc3! Rxc3 25・bxc3 Rc8 白はe1にいるRをe3経由でg3に展開して活用したい。 そのための下準備。 24・Rxc8? で交換してしまっては、cファイルを黒に与えてしまうため、c3で交換を済ませてc列を閉じておく。   26・Qg3  Be4 27・h5 Bxe5 28・dxe5 Qf7 29・Re3 26・Re3? はポーンが落ちる。 26・Re3? Rc4 27・a5 Bxe5 28・Rxe5 Rxc3 もしくはQ交換となってしまい白の攻めが止まる。   29・Re3   29…Kh8 30・Qh4 gxh5 31・Rg3  白はRg3が達成できて満足というところ。 私はリアルタイムで観戦していたが、この時黒はタイムトラブルに陥っており苦しそうだった。   31…Bd5 32・a5! 好手マークはギリの解説から引用。 黒に有効な手がなくほぼツークツワンク状態だそうだ。   32…f4 33・Rg7 Qf5 34・Qe7 Qf4 35・Qf6  (1-0) ここで黒の時間が切れた。 最終局面はもうメイト不可避なので時間があったとしても投了だったろう。     ~   大会結果 ~   優勝 V・トパロフ 6.5/10 2位 A・グリシュク 6.0/10 3位 L・アロニアン 5.5/10 4-6位 F・ヴァリャーホ-ポンス B・ゲルファンド V・ガシモフ 4.0/10   前半戦終了時にトパロフが2位に1.0ポイント差をつけ、さらに後半戦開始直後の第6Rも勝って、差を広げたため、ほとんど観戦者はトパロフの優勝だと思っていた。 実際そうなったわけだが、第9Rの グリシュク vs トパロフ の首位攻防戦をグリシュクが勝って並び、最終日まで縺れて盛り上がった。 最終日の組み合わせが、トパロフが白番、グリシュクが黒番だったこともあり、トパロフの方が勝ちやすい状況で、トパロフはきっちり勝ち、グリシュクはパーペチュアルチェックのDrawに持ち込まれてしまった。   トパロフは4月にV・アナンドとのタイトル戦を前に箔をつけて自信を深めただろう。 おめでとうございます。
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Aeroflot Open 2010

Magic on Chessboards - 土, 02/20/2010 - 12:30
~   Aeroflot Open ~   開催地はロシアのモスクワ。 直前の Moscow Open より参加者は豪華になっている。 G・カムスキー E・バレーエフ E・バクロ M・V・ラグラーヴ L・V・ベリー Bu-Xiangzhi I・チェパリノフ K・サシキラン A・モティレフ A・ドレーエフ A・カリフマン I・スミリン A・ナイディッシュ A・ティモフェーエフ A・シャバロフ L・マクシェイン M・ロドシュタイン I・ニポンニシ S・シューギロフ etc.   A1、A2、B、Cの4階級にカテゴリ分けされていて、上記にでているような面子は当然A1である。 で、そのA1(76人参加)で優勝したのはベトナムの Le Quang Liem でした。 今大会ではチェパリノフの攻めを受けきってのDrawや、Bu-Xiangzhiのサクリファイスを空振りにさせての勝ちなど、相手を往なすのが巧い印象でした。   今回は紹介したいゲームが2つある。 1つは私がヨーロッパの若手で最も期待しているラグラーヴから。   M・V・ラグラーヴ vs D・Bocharov (1-0) シシリアンディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1573179   15…0-0-0   図は黒がロングキャスリングを済ませたところだが、タイミングを逸しているため、白に強手が生まれた。   16・Bxb5! で白はポーンアップできた。 このBサクリファイスを受け取ると、 16…axb5 17・Nxb5   で次手 △18・Na7# が強力で、すぐさま 17…Bc5 とBを返さなくてはならず 18・Qxc5 で 白が2ポーンアップになり白勝ちだ。 よってこのBは捕れないが、黒Qの逃げ場が 16…Qc7 オンリーで 17・Qxc7+ とQ交換されてしまう。   極論を言えばQサイドでポーン数が 3:1 なのでこのまま単純化を進めれば白は勝ちの局面である。 この後じわりじわりと局面に圧力をかけ、駒を交換していくうちに白勝ちに傾いていく様は往年のカルポフを彷彿させる。     もう1つは熱いサクリファイスゲームを。 A・ティモレフ vs F・アモナトフ (1-0) シシリアンディフェンス http://www.chessgames.com/perl/chessgame?gid=1573261   20…e5   gファイルが開いており白の攻めの方が早そうだが、ここでティモレフが考えたのはf1にいる白マスBの活用だった。   だから 21・Qxh6 exd4 でNを捨てる。さらに 22・e5 で b1-h7 のダイアゴナルを開けることを優先する。 22…dxe5 23・Bd3?! dxc3  徹底してBを出すことを優先して、そのためにNを連続して2つとも捨てた。   24・dxe4 Qxe4?   無防備に中央に飛び出してしまったこのQは白のRの標的になりえる。 さらにオープンファイルを増やしてしまい白に攻めやすい状況を与えてしまった。   ここから白の猛攻が始まる。 アモナトフをフォローしておくと守勢に立たされ圧力を加えられれば人間はどこかで間違えるものだ。   25・Qh7+ Kf7 26・Rde1 Qf4+ 27・Kb1 Be6 28・Qh5+ Ke7 29・Qc5+ Kd7? 29…Kf7 と戻っていれば、Kf7にQh5+、Kg8にQh7+、Ke7にQc5+を繰り返す形でこれ以上進展せずDrawだった。 黒にQh6を指されては白の攻めは止まってしまうため、白がBg6を指しておく時間がないためだ。   30・Rxe6 Kxe6 31・Qxb6+ Kd7? ここでキングが上がるか下がるか、正解は 31…Kd5 と上がる方。 本譜との違いを上手く説明できないので下手なことは言わないが、奇異なことにd6・d5にいる黒Kに白は決定的な攻めが加えられずQによる連続チェックでDrawになるらしい。 おそらくRad8を黒に与えてはダメということだと思う。   32・Qxb7+ Kd6 33・Qb6+ Ke7 34・Qc5+ Qd6?  35・Re1+ Be5 36・Rxe5+ Kd7 37・Rd5  (1-0) おそらくQを間駒に挟むことはこのようなRの一撃があることからできないことを29手目のときに一度は確認しているはずだが、追い詰められると人は死に急いでしまうようだ。 29手目の時とは違い、34手目のQc5+は黒の白マスが消えているためBc4という後続手が生まれている。 だからこの野晒しになっている黒Kを救うことは難しい。 上手く攻め立てたモティレフを讃えるとしよう。
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